ストップ!辺野古埋立て 6・5横浜の集い報告

6月5日(水)夕刻、神奈川県民センター・ホールにて「ストップ!辺野古埋立て 6.5横浜の集い」が開かれた。主催は「島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会」、後援は神奈川平和運動センターと基地撤去をめざす県央共闘会議。辺野古の埋め立て工事の現況、大浦湾側の軟弱地盤と活断層の問題を伝える10分程度のニュース映像上映の後、「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎さんが県民投票実現に至る自らの経験を語り、続いてヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんが辺野古の現状と課題を報告した。元山さんは1991年生まれ、普天間基地を抱える宜野湾市出身。40分間の講演の中で、県民投票が同世代間で難しかった基地問題に関わる会話のきっかけになったこと、「世代間の対話」と「島々の対話」を県民投票の目的に据えたという話が特に印象に残った。若者のしなやかな発想と行動力が県民投票の全県実施を実現する一つの重要な要因となったことが理解できた。安次富さんは1946年生まれ、名護市に辺野古問題が浮上した当初から新基地建設反対運動の中心にいた。安次富さんは、現場の闘いと切り離された県民投票運動に当初から否定的だった経緯を語った上で、結果的に県民投票を成功に導いたポイントは各地域の住民の声の拡がり、地方自治の実践-「沖縄の底力」にあることを指摘した。ヤマトと沖縄の「ズレ」を語り、地元神奈川での取り組みの強化を促した点は二人とも共通していた。会場に詰め掛けた150人の参加者は、二人の熱い訴えに最後まで熱心に聞き入った。来賓あいさつは沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子さん。会場で呼びかけた辺野古派遣基金・神奈川のカンパは88,444円集まった。
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以下、元山さん、安次富さんの発言を中心に、集いの模様を報告する。発言は当日のメモから再現した。文責は本報告作成者にある。

冒頭、主催者挨拶に立った高梨晃嘉代表世話人は、「辺野古の新基地に反対の声は、沖縄は言うまでもなく全国に広がっている。それを無視して安倍政権は埋立て工事を強行している。原発も同じ。こんな政治を許していいのか」と強調し、「4月の沖縄衆院三区補選で玉城さんの後継者の屋良朝博さんが勝利したが、これも辺野古の現場の長期にわたる闘いがあってこその勝利だ。選挙闘争だけではなく、現場の闘いがあって選挙の勝利もあることを忘れてはいけない」と指摘。「辺野古の新基地建設を断念させるまで、横浜の地で闘いを続けていく。横浜から、国民なめるな!の声を上げていきたい」と訴えた。
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 続いて元山仁士郎さんが登壇。元山さんは昨年4月に、県民投票を実現させるためにと通学していた一橋大の大学院を休学。県民投票を実現させた今年4月に大学院に復学。研究対象は日米の政治・外交史。1972年の沖縄の「復帰」に伴って米軍と自衛隊がどの程度の役割分担をしていたのかに特に関心があるという。それは現在の辺野古新基地建設や南西諸島の自衛隊配備問題に関連するからだ。

全県実施を求めてハンスト決行。「有権者の二人に一人が投票したことは大きい」

まず元山さんは昨2018年年4月16日に「辺野古」県民投票の会を立ち上げてから本年2月24日の県民投票実現に至る経緯を振り返った。元山さんが実際に県民投票をやろうと思ったのは前年2017年11月頃。辺野古訴訟研究会の行政法学者の武田真一郎さんと話をして県民投票を考えた。自身が県民投票の会の代表を務め、副代表には弁護士、ほかにも司法書士の方や金秀グループの呉屋会長にも協力いただいた。「実現までに様々なことがあった。県民投票に関わったみなさんの色々な思いが詰まっていることを知っていただきたい」と元山さんは振り返った。県民投票には、県知事が発議するやり方もあるが、翁長知事は「住民発議が望ましい」と言っていた。もう一つ、県議会議員による発議もあるが元山さんたちは三つめの住民発議による条例制定請求署名を選んだ。条例制定には有権者の50分の1以上の署名が必要となる。5月23日から7月23日までの2か月間、署名運動を展開。各地を回って県民投票の意義を訴えた。有効署名が92848筆となり必要数の4倍の署名を達成。これをもって9月5日に県議会に直接請求した。この直前の8月31日に、8月8日に亡くなった翁長知事に代わって謝花副知事が埋立て承認の撤回をした。9月30日に県知事選があり、玉城デニーさんが約40万票という過去最多得票で当選した。県民投票でも、この玉城さんの最多得票数を上回るかどうかが一つの基準になった。
10月26日に県民投票条例は成立したが、いくつかの自治体で県民投票反対意見書が決議され、投票に参加しない動きが出てきた。県民投票の会は各市長や議員たちに面会を求めて要請行動を展開。それでも12月から1月にかけて宮古島市・宜野湾市・石垣市・沖縄市・うるま市の5市の首長が県民投票不参加を表明するに至る。首長が率先して市民の投票権を奪うというのは、前代未聞。政権与党が沖縄選出の国会議員を通じて首長や議員に県民投票不参加を指南していた事実も地元紙で暴露され、市民からの怒りの声が噴出した。自身も宜野湾市民で投票権を奪われてしまう。危機感を募らせた元山さんは、やむに已まれず1月15日から5市長に県民投票参加を求め宜野湾市役所前でハンガーストライキを始めた。「ともかく何か行動し後世にも残そう」と考えた。ハンスト5日間で数千人の署名も集まった。市民から激励の言葉をたくさんもらった。全県的な市民の声の拡がりを受けて、県議会議員も動かざるを得なくなった。1月18日ころから県議会議員が動き始める。最初に動いたのが公明党の金城勉県議。沖縄の公明は中央とは違って、辺野古移設反対を掲げている。支持母体の創価学会の会員から突き上げがあったとも報道されている。公明の金城県議が動いて、自民党に働きかけ、県にも話し、投票の選択肢を二択から三択に修正する形で全県実施の道が模索され始めた。もう一人、自民党県連会長の照屋守之県議が「三択に乗る」と言ってくれた。どうにか条例改正までこぎつけ、全県実施となった。採決では自民党は反対する議員も出たが、4人の議員が賛成した。実施3週間前にようやく全県実施となった。2月24日の投開票結果は、報道されている通り。投票率が50%を超えたのが大きい、と元山さんは強調する。投票結果が出る前から、菅官房長官は、「投票結果は全く影響しない。投票やっても無駄だ」と言っていた。自民・公明・維新も「静観する」という立場。県民の多くが投票するかどうか、意味があるのか、思い悩んだ。「そういう中で2人に一人以上が投票所に足を運んだというのは大きいことだ」-元山さんはそう語る。

「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。」のスローガンに込めた思い

なぜ県民投票なのか。会のメインスローガン「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。」の言葉に込めた思いを元山さんは熱く語った。
まず「話そう、基地のこと。」。沖縄でも基地のことはなかなか話しにくい。沖縄が二分させられていると感じる。基地容認か反対かで争いが起きて、友達関係が崩れてしまうのでは、と心配してしまう。元山さんには機動隊や海保に就職した友達もいる。キャンプシュワブの中で働いている友達もいる。彼らを否定するのではなく、「あなたたちのやっていることは、子どもたちの未来に影響するよ」と優しく語りかける。決して彼らは敵ではない。彼らもやりたくなくても、命令で仕事としてやらざるを得ない。きつい言葉でいうのは、ものすごくつらいし、自分自身は何も言えなくなってしまう。彼らに対して言いたいわけではないのに、対峙させられるのは悲しい。自分が辺野古反対の思いを示してしまうと、相手は自分が否定されてしまうと受け止める。そこに配慮をするとなかなか話しづらい・・・。「自分自身がそういう環境にいることを、みなさんに伝えておきたいと思った」、そう言って元山さんは壇上から正面を見据えた。基地についてなかなか話せないが、県民投票を通じてだったら、話せるのでは、そう思った。「辺野古がね」なんていうと「お前どうしたの、おかしいんじゃないの」となるが「今度、県民投票があるね」と語りかけると「そうだね」と自然なやりとりになる。そういう対話のきっかけづくりになると思って県民投票を考えた。
「決めよう、沖縄の未来。」のスローガンに込めた思いは何か。辺野古の新基地は耐用年数200年と言われている。200年前は江戸時代。ペリーも浦賀にきていない。それくらい先の200年を見据えて投票しようね。とにかく投票所に行こうと呼びかけた。
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県民投票の目的は「世代間の対話」と「島々の対話」

県民投票に込めた元山さんの「私の目的」は、世代間の対話と島々の対話。「対話」というのは、一方的に話すのではなくて、相手の話を聞くことが大事。相手の話をしっかり聞いて、応答する。その事が大事だなと1年間を通して感じた、という。
「世代間の対話」の相手は親世代と祖父母の世代。なかでも意識しているのは、沖縄戦の体験者。元山さんの祖父母も90歳、87歳になっていて、彼ら彼女らは生まれたときには基地はなかった。基地がない沖縄を知っている。その人たちが現在の辺野古の基地についてどう思っているのか、聞きたかった。祖父母だけでなく、署名集めの時にたくさんの沖縄戦体験者から話を聞くことができた。
「島々の対話」と言っても、沖縄には大小たくさん島がある。元山さんは10の島を回り、島の人々の思いを聞いた。例えば南北大東島では島の産業である製糖業の後継者が不足している。あるいは高校が島内になく、中学を卒業するとほかの島の高校に進学するという島もある。医療環境のない島もある。そういう島々の問題を沖縄全体の問題として考えなくては、と元山さんは考える。

アンケートで「県民投票の結果を尊重すべき」が2人(岩手県知事、静岡県知事)だけというヤマトの現実

元山さんは世論調査にも触れた。安倍政権に近い読売新聞の県民投票前の2月下旬の調査で、辺野古埋立て反対47%で賛成36%を上回っている。3月上旬の共同通信の調査では、県民投票の結果を「尊重すべき」68.7%と「尊重する必要はない」の19.4%を大幅に上回る。しかし、都道府県知事へのアンケートでは「尊重すべき」は2人だけ。世論調査では「尊重すべき」が圧倒的でも、知事になると2人だけというのが現状。元山さんは会場に訴えかけた。「例えば神奈川県内の基地を巡って県民投票をやって、その結果を無視されたらどういう気持ちになるか、ぜひ想像してほしい。尊重すべき、など誰でも言えるが、そんなことさえ言えない知事が圧倒的に多い。沖縄の県民投票の結果は無視してもいいと言っているようなもの。有権者に対してそう言っているに等しい。それくらい悲惨な状況だということをぜひ受け止めてほしい。きつい言葉で言えば差別と言わざるを得ない。その差別の構造、沖縄とヤマトのずれを受け止めてほしい。それをどう変えていくのか、考えてほしい」。
元山さんによれば、県民投票の会は、記録集を作る予定。そして関係省庁に県民投票の結果を尊重してほしいという要請行動を展開したい、という。その二つを終えた段階で県民投票の会は解散する予定だ。
 最後に元山さんは、ヤマト・本土の人に4つの行動を呼びかけて締めくくった。
(1)まず沖縄で起こっていること、ニュースを拡散し、広げること。昨日の浦添西中の部品落下事故とか水の汚染、ドローン規制の動きなど、伝えることはたくさんある。
(2)抗議のFAXや手紙を関係省庁や都道府県庁、議員に送る。
(3)スタンディングやデモ。
(4)市町村で陳情を出す。地元の自治体や議会に働きかける。県民投票を尊重し、普天間基地の移設は全体で考える。神奈川の取り組みも重要になる。現地に行くことも重要だが、地域でもできることがある。

ここで「辺野古高江派遣基金・神奈川」へのカンパの呼びかけ。基金は2016年9月に県内有識者の呼びかけで設立されたが、延べ74人の現地闘争参加者への交通費補助を行ってきた。

次に沖縄からのゲスト、安次富浩さん登壇。
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沖縄で起こっていることは沖縄だけの問題ではない

安次富さんは、まずきょう(6月5日)の琉球新報朝刊を掲げて、沖縄の最新の動きを報告した。
昨日(4日)、浦添西中の校庭にゴム製の部品が落下する事故があった。浦添西中は普天間基地の近くにあり、間違いなく普天間飛行場からの米軍ヘリの部品(その後、米海兵隊が落下事故を認める。しかし、ゴムなので安全で問題がないと居直り、沖縄の人々の怒りを買っている)。以前、保育園にも部品落下事故があった。普天間基地の危険性は今でも続いている。別の記事では、県は「撤回」が正しいとして県議会で議決して国を訴える準備をしている。昨日の記事には、与那国島の自衛隊基地の弾薬庫を防衛局が「保管庫」と偽っていた。最初から分かっていれば与那国の住民投票の結果も違っていたかもしれない。別の記事では、陸自のミサイルがもし爆発したら、2分以内に1キロ以上離れるか、遮蔽物に避難するという自衛隊内部のマニュアルが暴露された。与那国島も宮古島も石垣島も、1キロ以内に住宅は当たり前にある。「沖縄県民を愚弄することを政府防衛省が平然と行っている」と安次富さんは憤る。
5月に入って、伊江島以外でのパラシュート降下訓練が4回もあった。本来はSACO合意で伊江島の補助飛行場ですることになっているのに、米軍がやりたいときに、嘉手納や津堅島沖などやりたい場所で訓練している。それを防衛相も容認している。これが沖縄の現実だ。嘉手納周辺の市町村議会で抗議決議をあげているが、無視されている。伊江島ではオスプレイやF35の着陸帯を作り、岩国や韓国やアラスカから外来機が来て離発着訓練をしている。そして基地が発生源の有機フッ素化合物の水質汚染問題がある。汚染の原因は明らかに米軍基地なのに、地位協定で米軍の許可が出来なければ立ち入り調査ができない。これが沖縄の実態。そして4月の海軍兵による女性殺害事件。DVで米軍からその兵士に女性への接近禁止命令が出ていたのに、キャンプシュワブの司令官が外泊許可を出して事件になった。日本では考えられないようなことが沖縄で起こっている。
沖縄の現状は、沖縄だけの問題ではない。きょう来たのは、このことを訴えるためだ。そう安次富さんは強調する。長野県内で米軍機の低空飛行が話題になった。横田基地のCV22オスプレイ配備。神奈川でも基地があり、反基地運動がある。しかし県民全体の運動になっていない。沖縄では全県的な運動として作ってきた。この沖縄と本土のギャップを解消していかないと、沖縄の問題はいつも沖縄の問題であって、みなさんの問題にならない。
現地にたくさんの方が来ている。しかし活動家層だけ動けばいいのではなく、もっと地域住民に運動を拡げることが必要だ。神奈川の問題と沖縄の問題がドッキングして、初めて問題の重要性が伝わっていく。そういう形で神奈川のみなさんと沖縄が一層繋がっていく事が大事ではないか。

当初は反対していた県民投票―署名集約状況を見て積極推進へ

安次富さんは県民投票については、当初から反対してきた。元山さんとも何回か議論してきた。なぜ反対したか。安次富さんは反対してきた理由を二つ挙げた。一つは前回1996年の県民投票と現在の時代背景の違いだ。2000年の自治法改正によって、市町村と県知事が対等の関係になった。96年の時点では県議会で決まれば市町村は実施しないといけなかったが、現在ではそう簡単ではない。県議会の条例制定から全県実施まで、政権与党の介入や抵抗が予想された(実際にその通りになった)。二つ目は、知事選(当初は昨年11月に想定)があり、知事に撤回を迫る取り組み、工事を遅らせるための現場の闘いがある。いまは県民投票に力を注ぐ時期ではないというのが安次富さんらの判断だった。
しかし5月23日に条例制定要求署名が始まり、辺野古の座り込み現場でも、島ぐるみ会議、オール沖縄でも議論が交わされた。だんだん、少ない署名で県民投票に突っ込んだらヤバイことになる。署名数を増やさないと成功しない。そういう論議になって、各地域の島ぐるみ会議とも相談し署名に全面的に協力して取り組むことになった。安次富さん自身も県民投票反対から積極推進に変わった。条例が出来てからはオール沖縄として禍根を残さないということで県民投票連絡会を立ち上げて、幟を立てたり、宣伝カーを回した。宣伝カーでは若者を中心に、思いをアピールしてもらった。

広がる創価学会の反乱―その背景にあるのは沖縄の独自の歴史、沖縄の底力

安次富さんは、元山さんも話の中で触れた公明の支持母体である沖縄の創価学会の変化についても言及した。安次富さんによれば、学会が変わったのは、昨年2月の名護市長選挙。この時に、九州各県から学会幹部が名護市に大挙押しかけて、学会員だけでなく、知人、友人、子どもの同級生まで含めて圧力を駆けて回った。市長選は稲嶺進さんが敗れたが、この時に学会内部から反乱がおきた。とりわけ戦争体験者、米軍に土地を接収された人たちからすれば、辺野古新基地建設反対の声が根強い。この反乱が広がって、県知事選で学会の旗が翻った。県民投票でもそうだった。本年4月の衆院三区の選挙でも、学会員が旗を持って参加してきている。
これらの動きには、沖縄の独自の歴史がその背景にある。ヤマトの論理で沖縄県民は動かない。公明だけでなく、県民投票で自民党支持層でも反対を示した人がたくさん出た。これが沖縄の声。オール沖縄の結集軸は何か。保守系も企業も一緒になって、選挙でも統一戦線で動いている。だから三区でも菅官房長官がテコ入れした島尻安以子を落とすことができた。沖縄を売る女性を議員にはさせない、と。「これが沖縄の底力」、安次富さんは力を込める。
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地域住民を中心とした運動となっていった県民投票

 「県民投票の経緯は元山さんの話にあった通り」としながら、安次富さんが最も強調したことは、各地域の住民の声、地方自治の実践が県民投票を成功に導いたということだ。県議会で条例がいったん成立してから、不参加を表明する5市の動きが予想通り出てきた。一方で、例えば本部町長が「議会が否決しても町長の職権で県民投票を実施する」と宣言したところ、反対だった町議会が賛成に変わった。糸満市長自身は県民投票に懐疑的だったが、地域住民の請願活動により議長裁決で議会が賛成となり実施となった。「県民投票が地域の住民を中心とする運動になっていったことを見逃してはいけない」と安次富さんは訴える。5市の首長も、公明も自民も最後は投票不参加に抗議する住民に包囲され、県議会の条例改正で実施することになった。各地域で「投票権を奪うな」という住民の怒りの声が高まって全県実施を実現した。地方自治はこういうものだということを各地域の住民が実践した。
県民投票は沖縄で1996年と今回の2回あったが、ほかの都道府県で実施したところはない。市町村レベルでは産廃処理場設置を巡る岐阜県御嵩町、原発建設を巡る新潟県巻町などがある。住民投票で産廃処理場も原発も止めた。全国にはそういう事例もある。自らの地域の課題を掘り起こして沖縄連帯を言わないといけない。「みなさんの足元の問題と沖縄の問題、それを自公政権とのつながりで見ていかないと運動は広がっていかない」―安次富さんはそう強調した。

大事なのは天皇代替わり―世継ぎの話題ではなく、世直し

講演の最後に安次富さんは今後の辺野古の闘いについて語った。
いま土砂を投入しているのが埋立て海域の辺野古側の2カ所。K8護岸は大浦湾側の辺野古崎側。反対側にK9護岸。K8護岸は250mまで延ばすと言っているが、そこまでいかなくても6月中に完成させて二つの桟橋で土砂を陸揚げする(その後、6月11日からK8護岸を県の許可なく桟橋として利用して陸揚げ開始)。搬出は本部町の塩川港と琉球セメント㈱安和桟橋の2カ所。二カ所から搬出し、桟橋二つから陸揚げされると埋立てのスピードが上がる。
一方で、大浦湾側の軟弱地盤は水深90mまである。今の技術では70mまでしか地盤改良はできないことは防衛省も認めている。砂杭を77000本打って地盤改良する。この地盤改良で3年8か月かかると防衛省は言っている。護岸の高さもいまは3mくらいしかないがこれでは高波で超えられてしまう。当初計画は8年で2500億円と言っていたが、岩国の埋め立ての例からして少なくとも13年、2兆5500億円はかかる。すべて国の予算、税金。
武器の爆買いで予算は膨らむばかり。イージスアショア、F35、・・・どれだけ国民をだまし続けるのか。
「とくに強調したいのは、みなさんの地元で、安倍政権が何をして、何を企んでいるのか。そのこととの絡みで沖縄のことを考えてほしい。参院選の32の小選挙区で野党の統一候補ができる。辺野古の工事中止を求めることが共通の政策になると言われている。沖縄は保守も含めて統一候補を立てて、勝ってきている。国民の多数がマスコミの皇室報道に目を奪われ、象徴天皇制に負けている。大事なのは世継よりは世直し。世直しをするのは私たち主権者。この国は民主主義国家なのか、改めて問い返すべきではないか」―安次富さんは最後に参加者一人一人にそう問いかけた。
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集会の最後に沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子さんから連帯挨拶。 外間さんは、まず6月15日の新宿アクションへの参加を呼びかけた。結ぶ会も参加している辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(埋めるな連)が主催し、13時から新宿駅西口・南口・新宿三丁目交差点の三カ所で宣伝行動を展開し、14時から東口アルタ前に全体が集合してアピール行動、15時から新宿駅周辺のデモに出発する。もう一つ外間さんが訴えたのは、現在の辺野古新基地建設にもつながる植民地主義の問題だ。
4月5月の天皇代替わり騒動にはうんざりした。なぜこんなにみんな皇室が好きなんだろうと思い、4月27日に「沖縄から天皇制を問う集会」を開き、沖縄の彫刻家の金城実さんと京都の松島泰勝さんの話を聞いた。琉球の歴史をさかのぼると、ひたすら天皇制国家、植民地主義の問題に突き当たる。戦前に京都帝国大学の金関丈夫という研究者が今帰仁村の墓荒らしをして遺骨を盗み、それが京都大学に今でも保管されている。この琉球人遺骨の返還を求める琉球人遺骨返還訴訟が始まった。京都大学は情報公開も話し合いも拒み続け、やむなく訴訟になって2回目の公判が終わったこれは。今の沖縄につながる問題だ。盗掘された遺骨を取り戻したい。アイヌ民族も同じ課題を抱えている。アイヌ新法も成立したが、先住民族としての権利は認めていない。外間さんは「日本を何とかしないといけない。辺野古や遺骨問題に表れる植民地主義と差別抑圧の歴史を変えていきたい。そう考える方は、ぜひいっしょに考え、闘っていきたい」と訴えて発言を締めくくった。
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閉会挨拶は結ぶ会の仲宗根保代表世話人。「辺野古の問題も沖縄だけでは解決しない、トランプを引きずり下ろして、安倍を引きずり下ろす。いかさまトランプと大ウソつきの安倍はいらない」―そう宣言して買いを閉じた。
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アンケートに寄せられた参加者の声(抄録)
*(元山講演を聞いて)対話について、現在の私の仕事にリンクできる話でした。対話をしないと伝わらない。正論を言っても受け入れてもらえない。でも対話を続けて思いを広めていこうと思いました。(安次富講演を聞いて)毎年沖縄平和研修で研修生を連れていきますが、沖縄だけの問題ではないということを研修生に感じてもらう事に苦労しています。基地県神奈川とリンクさせていることを続けていきたいと思いました。(47歳女性)
*(元山講演)県民投票までの経緯を知れてよかった。思いを行動で実現していく過程、行動力がすごいと思ったし、やろうと思えば政治を動かせるのだと勇気をもらった。(安次富講演)神奈川の問題と沖縄の問題をドッキングして考えるということを学びました。これは自公政権の問題であるということでリンクさせて考えていきたいと思います。(33歳女性)
*(元山講演)若者の情熱はいいですね。高2で復帰して、21歳で沖縄を離れました。里帰り出産した娘が、沖縄の歴史を学び、母にハッパをかけています。若い力に「ありがとう」です。(64歳女性)
*(元山講演)県民投票を全県に広げた元山さんの情熱に感動した。若い人が県民を動かした。非常に教えられた。自分の自治体、神奈川で何をすべきか。訴えられた力を受け止めて帰ります。(安次富講演)沖縄問題は自分の問題、常にそう思いますが、改めてその思いを強く深くしました。危機感をどう自分の周囲に伝えるか。自分の非力さを感じながらも、奮い立たせられました。とても強く!!(その他)島ぐるみ会議の集まりは毎回必ず出席しています。自分に何ができるか、会議の支援をいただきながら毎年辺野古座込みに参加しています。みんなでカンパする力、とても大切に思います。一人でも多くが辺野古・安和へ参加するよう語り掛けていきます。(75歳女性)
*(元山講演)とても焦点がはっきりしていて、時を逃さない決断力で今後も期待させられます。(安次富講演)自分たちの足元を固めて沖縄と団結。さすが素晴らしいお話でした。(63歳女性)
*(元山講演)県民投票をするようになった経緯や思いがよく伝わってきました。若い人の動きの中心になられた元山さん、エールを送りたいです。(安次富講演)沖縄の問題と、自分たちの地域の足元の問題をつなげて考えること、心に留めました。お二人の話から自分にできることをやっていきたいです。(70歳女性)
*(元山講演)会のスローガンは単純明快だと思いました。「対話」の大切さも元山さんの友だちの話でよく分かりました。とくに「違う立場でも」ということです。若者たちにも元山さんの話を聞かせたいと思いました。(安次富講演)自分の地元の問題との絡みで沖縄の問題を考えていくという視点は、とても大事だと思いました。(64歳女性)
*(元山講演)県民投票を通し、世代間、島々などとの対話があったことは本土が学ぶべきことだと思いました。その県民投票を無視する黒岩知事に抗議しないといけませんね。(安次富講演)沖縄の底力の本土との違い。まだまだ活動家だけの本土の運動とどこが違うのか?足元の問題から沖縄連帯を考えられるようにと思っています。(69歳女性)
*(元山講演)静かな語り口の中にもしっかりとした気持ちが感じられ、わかりやすい話でよかったです。こういう若い人がいることはうれしく思います。(安次富講演)沖縄の闘いに見ならえ!と激励されているようで私たち自身の姿勢が問われているとあらためて感じました。最後に天皇制の疑問を投げかけたのにも同感です。(その他)本日の催しもそうですが、こうした活動を今後もぜひ進めていただきたいし、私たちもそれに参加し、あきらめずに取り組んでいかなければと思いました。(60歳男性)
*(元山講演)若い方の熱い思いと行動に敬意を表するとともに、私自身のできることをしていきたいと強く思いました。(安次富講演)何度もお聞きしていますが、毎回現場での闘いからの強い思いを感じます。ありがとうございました。(その他)この種の会の継続を期待します。(77歳男性)
*(元山講演)「辺野古」県民投票の流れを変える行動をした元山さんの話が聞けて良かった。勇気ある若い人たちを応援していきたいと思います。(安次富講演)落ち着いた、具体的でわかりやすい話でした。県民投票、選挙における沖縄の底力が感じられました。(その他)辺野古の情報が限られるなか、地元横浜で現状を知る機会を作っていただき、ありがとうございました。(48歳男性)
*(元山講演)とても良い話でした。励まされました。(安次富講演)沖縄と同じことが神奈川でも起きている。沖縄の問題は県民全体の問題になっているが、神奈川では県民の問題になっていない。その通りだと思った。(71歳女性)
*(元山講演)「住民発議」で県民投票を勝利した経過がよくわかりました。ハンストまでして成功させたわけですが、本土の住民として、沖縄に基地を推しつけ、申し訳ない気持ちでいっぱいです。(4月にピースボートで一緒でした。)(安次富講演)「本土の沖縄化」が本格化しつつあるが、まだまだ”県民課題“とはなっていない。沖縄とのつながりが大切と誰もが理解できた。県民投票の裏話もよかったです。(最初は反対)(67歳男性)
*(元山講演)広い人々とのつながりの中で、人々の話を聞き、本当の民主主義確立。大切だ。(安次富講演)現地のこと、報じられないことの問題。安倍のウソ!人を平気でだます。神奈川での問題を沖縄に学びながら作っていくべしとの話。重要。(その他)更に広く深く!!(67歳男性)
*(元山講演)県民投票の計画性を知り、感心しました。(安次富講演)現状報告で実態を知らされ、本土、神奈川での問題につなげなければならないと痛感しました。(68歳女性)
*(元山講演)とてもハキハキしていて、頼もしい限りでした。将来が明るい希望として応援し、共に歩みたいと思います。(安次富講演)困難な闘いの先頭に立って、神奈川でも頑張ります。(60歳代)
*(元山講演)「私の目的」は私たちの運動においてとても大切なことだと思いました。(安次富講演)県民投票で違った立場だった話は貴重でした。(その他)各地域の議会への請願について、考えたいと思います。(65歳)
*(元山講演)座間市議会3月に意見書を提出しましたが、不採択でした。あきらめずに再提案してみます。(安次富講演)「沖縄の問題は日本の世直し」ですね!保守とも連帯するのは本当に難しいことですが、対話していきます。(その他)神奈川こそ、繋がって行ける運動の展開を、と感じました。外間さんのお話もゆっくりお聞きしたいです。(63歳女性)
*(元山講演)5・3憲法集会では身動きが取れず、(元山さんのアピールが)聞けなかったので、(きょうは聞けて)よかったです。(安次富講演)神奈川、頑張らないと、です。(その他)ありがとうございました。琉球人遺骨返還問題について、4月27日の文京シビックホールの集会へ参加しました。ナイチャーとして肩身が狭かったです。(55歳女性)
*(元山講演)自らの理念を明確に、1年という限られた中で県民投票の実施に向けた土台を築いたところが、すばらしいと感じます。相手から引き出し、さらに相手の価値観を変えていくことが具体的に語られていて、生き方の参考になりました。(安次富講演)安次富さんが当初の県民投票に反対したこと。それを転換してきた過程がよくわかりました。民主主義が生きている沖縄。それを下支えする住民の力。(34歳男性)

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