稲嶺進前名護市長が語る”沖縄のいま”ー11.29横浜集会報告

11月29日、横浜駅西口の神奈川県民センターで、「知事選で民意は示された!辺野古新基地NO!横浜集会」が開かれた。主催は島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会。オール沖縄会議共同代表で前名護市長の稲嶺進さんが「沖縄はあきらめない」と題して講演した。詰めかけた120人の参加者は、稲嶺さんの熱い訴えに最後まで耳を傾けた。
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結ぶ会の高梨晃嘉代表世話人からの主催者挨拶の後、辺野古の最新動向を20分にまとめた映像が上映された。9月30日の知事選で予想外の大敗を喫した政府・防衛省は、口先では「沖縄に寄り添う」と言いつつ、法手続きを一切無視して埋立承認の「撤回」の効力を停止させ、「12月中旬辺野古土砂投入」を宣言した。玉城新県政は政府に「対話」を求める一方で、国地方係争処理委員会への申し出、沖縄防衛局への行政指導を進めた。辺野古の現場では海と陸の阻止行動が再開され、緊張が高まっていた。
映像で10月11月の沖縄現地の動きを確認した後で、稲嶺進さんが登壇。
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稲嶺さんは「沖縄は戦後何十年も米軍基地に関わる事件・事故が繰り返され、人権が蹂躙されてきた」と沖縄の戦後を振り返り、「米軍基地の負担や脅威は米軍が引き起こしているだけではない。日本政府がそれを黙認し沖縄に集中させる政策をとってきた」と指摘。今年2月の名護市長選で政権丸抱えで介入してきたので県知事選も心配したが、玉城さんが圧勝した。「なぜこんなことが起きたのか。知事選でも名護市長選と同じように金の力で有無を言わせず動員したが、創価学会員も業界団体の会員も嫌気がさした。振興策という名の「飴」にしがみついている人たちもいるが、沖縄の人々は目覚めた」と稲嶺さんは強調した。知事選で大差がつき、知事も「対話しよう」と言っているのに、会談した直後に裏切り暴挙に出る。「これでは対話は成り立たない。“沖縄の心に寄り添って”というが、まったく言うこととやっていることが違う。寄り添うのは背中合わせではないか。沖縄防衛局は行政不服審査法を使って私人の立場で申請した。私人が何で米軍基地を造るのか。無理を通せば道理が引っ込む世界。民主主義も地方自治も人権もない。こんな国が先進国と評価されることはあり得ない」。
いまの日本政府に自浄能力や当事者能力があるのか、と稲嶺さんは疑問を呈す。「たとえば米軍ヘリから窓枠が落ちた普天間第二小。事故以来防衛局から派遣された職員が小学校に2人ついていて、米軍ヘリが校庭上空に近づくと避難指示が出る。12月から6か月で500回以上、10月で700回。1日で29回も出たこともある。子供たちが校庭で遊ぶどころではない。日常的に学習権も侵害されている。それなのに日本政府は米軍に言えない。米軍の言い分を追認するだけ。これが主権国家と言えるのか」。日本政府は米軍と協定を結んでいる。それによれば夜は飛ばない、学校上空も飛ばない。ところがその前提に「米軍の運用上必要な場合を除き」と書いてある。日本政府が事実上認めている。「1972年に沖縄は日本に復帰したが、戦後から現在まで、沖縄は憲法の番外地におかれた」というのが稲嶺さんの思いだ。国会で菅官房長官は「沖縄の歴史をご存知か」と問われて「よくわかりません」と答えている。沖縄でも戦争を知らない世代が増えて、戦争の記憶が風化している。1972年に復帰してから47年、復帰後に生まれた人が沖縄にも半分以上いる。基地にも抵抗感がない世代。やはり事実をきちんと伝えないといけない。これから100年以上も、普天間以上の機能を持つ要塞ができる。「日本の国がどこに向かっているのか。いま生きている責任世代の一人として強い思いで伝えていきたい。あきらめない。機動隊や海保に暴力的に排除されても、非暴力で抵抗を続けていく」。
最後に稲嶺さんは2月24日に予定されている県民投票に触れ、「県民投票で白黒はっきりさせたい。12月9日に県民投票の組織を立ち上げる。ぜひこの県民投票を成功裏に実施したい。全国のみなさんにも支援をお願いしたい。沖縄は頑張っている。辺野古新基地をとめるためにみんなで頑張りましょう」と力強く結んだ。
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講演の後、主催者からの辺野古派遣基金へのカンパの呼びかけを挟んで質疑応答。会場からの質問に稲嶺さんから丁寧に答えていただいた。

質疑
Q 日米地位協定改定の取り組みについて教えてほしい。
A 地位協定の抜本的改定は沖縄だけの問題でなく、全国の課題。事件・事故の8割以上が海兵隊。沖縄から抜本的改定を何年も前から要求してきた。翁長知事が全国にも訴え、ことしようやく全国知事会の要求にもなった。ところが政府は応えない。河野外相は「ドイツ、イタリアとは置かれている立場が違う。地位協定を比較できない」と言っている。しかし問題は、いかに日米地位協定が不平等になっているか、日本国民の人権をどう守るということ。日本が主権国家でないことを自ら認めているようなもの。沖縄県はドイツやイタリアにも調査に行って、日本政府にも調査結果を伝えている。まったく聞く耳を持たない。改定しようとしない。オスプレイ配備もそうだが、沖縄の状況が全国に広がる。地位協定の問題は全国民の問題であり、国民的な議論を広げることが大切。安倍首相は「沖縄以外のところが受け入れてくれないから沖縄に置いてくれ」と情けないことを言っている。こんなことを言った首相は初めてだ。とんでもない。
Q 他の県に基地を引き取ってもらおうという声があるが、どう考えるか。またなぜ日本政府はアメリカの言いなりになるのだと思うか。
A 基地引取り運動は広がりつつある。だからと言って、神奈川にも基地がある。他の県で沖縄の基地を引き取ってくれということになるか。他府県も同じように基地負担を担うべきだと主張しているが、これまで沖縄からそんなことを言ったことはなかった。何十年も人権を否定されてきた沖縄として、同じことを味わえとは言えない。鳩山政権の時に県外移設の議論が出て、「言ってもいいんだ」となった。
米軍もその地域を守るためにいるのではなく、彼らの覇権主義が存在理由。日米安保の範囲も極東からアジア太平洋に広がってきた。沖縄戦で日本軍は住民を守らなかった。軍隊とはそういうもの。ただやはり、議論として沖縄だけでなく全国の問題として基地問題を取り上げる、広めていくという意味での引取り運動は意味がある。だからと言って「同じ苦しみを味わえ」とは言えない。
日米安保が結ばれる前に、「天皇メッセージ」で1947年に天皇が長期占領をマッカーサーに申し出た。「 我々は、日本に、望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間置く」という米国の狙いは日米安保と地位協定で実現した。そのときから米国への忖度が始まっている。主権国家としてもっと堂々と主張すべき。一人前の国家と言えない。自信と誇りを持って言えるような平和憲法の国日本になってほしい。

質疑の後、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックから「沖縄の反戦地主の運動を支えようと1981年に関東ブロックを結成して活動してきた。沖縄はあきらめない。私たち自身もあきらめない。こんな政策を許さない。防衛省は12月中旬に土砂を投入すると宣言した。全国世論も辺野古反対が増えている。土砂投入を許さない取り組みをひろげていこう」と連帯アピール。
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最後に結ぶ会の仲宗根保代表世話人から閉会挨拶。会場から寄せられた派遣カンパは76031円集まった。
集会終了後、会場を移して稲嶺進さんを囲み交流を深めた。
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[アンケートに寄せられた参加者の声]
〇東京新聞などでも沖縄の情報は得ていたが、やはり現地の稲嶺さんの直接のお話で、より詳しく状況がわかり、大変勉強になった。私も共に頑張りたいと思います。(57歳女性)
〇沖縄の歴史、現地の状況を直接伺えて、非常に勉強になりました。政治変革の重要性を強く感じました。(70歳男性)
〇沖縄の選挙がよく分かった。都合が悪くなる対話がなくなる。国の対応がよく分かった。(61歳男性)
〇「あきらめない」という思いがつよく伝わってきました。我々も沖縄の基地建設に反対する人々の思いと行動に連帯して、頑張っていきましょう。このような集会を開催してくれるのはありがたい。また定期的に開いてください。大勢の本土の人々が辺野古に行って反対の意思表示をしていきましょう。(73歳男性)
〇沖縄の日常の苦悩がよく伝わってきた。他人事として決して目を離してはいけないと思う。当事者能力のない現政権を倒すしかない。沖縄の問題は本土の問題と視点からの情報が発信される学習会、講演会の開催を希望します。(74歳女性)
〇アベ語辞書で確認すると、「寄り添う」とは「無視すること」と書いてありました。アベ「沖縄防衛局長は『私人』であると閣議決定いたしました。」スガ「私が歴史を知らなくても全く問題ありません!」(65歳男性)
〇「戦争の記憶が風化している」-同感しました。自分の子や孫に伝える責任があると思いました。(70歳女性)
〇日頃のメディアでは知りえない事柄、特に選挙について興味深く聞かせていただきました。(71歳男性)
〇沖縄の現実と戦後史にわたって日本の中央政府(権力)に踏みにじられてきたこと、それでもあきらめず、くさらず、前を向いて対応していく。非暴力で粘り強く立ち向かっていく。(62歳男性)
〇「あきらめない」ということが大切だと思います。そのことを稲嶺氏の講演を聞いて、今一度かみしめています。たとえこの先どんなに長くなろうと、何を敵が言ってこようと、やってこようと、“あきらめない”ということが大事であることをかみしめています。小さい集まりでも、いろんなところで、一つ一つ掘り起こし、つながり、発言ができるような集まりが作れていければと思います。(70歳女性)
〇辺野古新基地NOを強く支持します。それは戦争放棄をうたう日本国憲法を守る立場から、軍備を廃止し、米軍基地を一掃していく必要があり、その一端として「つくらせない」のだということです。稲嶺さんには、これまでの主張・業績に基づいて、玉城知事への強力なアドバイス、連携を望みます。(76歳男性)
〇私も9条の活動をしていますが、辺野古基地をあきらめるまで闘っていきたいと思っています。2月の県民投票を応援します。不平等の地位協定をなくすため努力していきます。私どもも若者たちにどう継承していくのかが課題になっています。(75歳男性)
〇報道では知らなかった。米軍のヘリが近づいてくると防衛局から派遣された人たちが子供たちへ避難指示をするとはびっくり。しかも一日に29回も行われたこともあるとのこと。こんなひどい状況にあることを周りに伝えたいと思います。日本政府は何をやっているのか!リアルな沖縄を感じることが出来ました。稲嶺さんをお招きいただいてありがとうございました。(71歳女性)
〇良かった。特に「基地引き取り運動」に対し、沖縄の苦しみを他府県に味わせたくない。議論として理解するが、どこにも基地はいらない、お願いしないという発言が印象的でした。ありがとうございました。(67歳男性)
〇沖縄の闘いの積み重ねと、本土の不十分さを痛感した。
〇まずはこんな日本が主権国家と言えるのか!まったくそうです!今生きるものとして、このような基地を残すことはできない、あきらめない。あきらめたら終わりだ!あきらめない、あきらめてはいけないという言葉にすべてが集約されているという思いを強くしました。自分も含め、このことに学び、行動していきたい。こうした催しは沖縄と結び、繋げていくために、今後も広くやっていただきたいと思いました。(66歳男性)
〇胸に響く話でした。思い、気持ちのこもった話でした。ありがとうございました。(66歳男性)
〇辺野古新基地NO!の強い意思を感じました。私もますます元気が出ました。辺野古阻止のため頑張りましょう。(67歳男性)

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