6.23シンポジウム「明治150年」に問うー沖縄と天皇制

6月23日の午後、6.23シンポジウム「明治150年に問う―沖縄と天皇制」が専修大学内にて開催された。主催は沖縄シンポジウム実行委員会(沖縄文化講座呼びかけ)、情況出版の後援。学生50人を含む130人が参加した。
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沖縄シンポジウムは6年目になる。2013年4月28日から昨年の5年目までは、1952年に講和条約と旧安保条約が発効した4月28日にあわせて、「東アジアから見た沖縄、そして日本を問う」というテーマでシンポジウムを開催してきた。今年は激変する東アジア情勢と「明治150年」キャンペーンを見据えて、「沖縄と天皇制」をテーマに掲げた。企画のベースには情況誌2018年冬号に掲載された沖縄の詩人・批評家の川満信一さんと菅孝行さんの天皇明仁の「八・八メッセージ」を巡る往復書簡とそれに対する沖縄の映像批評家・仲里効さんの論評がある。
今回のシンポジウムのゲストは菅孝行さんと仲里効さん。両氏のラジカルな問題提起と会場からの質問に対するスリリングな応答で、あっという間に三時間が過ぎた。相互討論の時間が足りなかったのは残念だが、若い世代には聞き慣れない、難解なテーマにも関わらず、アンケートに書かれた感想を読むと、学生諸君には多大な知的刺激となったようだ。
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特別報告として琉球民族遺骨返還研究会代表の松島泰勝さん(龍谷大学)から「継続する植民地主義―琉球人遺骨返還問題」の提起とアピールがあった。これは戦前一九二八年から二九年にかけての京都帝国大学金関丈夫助教授による琉球人遺骨盗掘問題の告発だ。琉球併合後の植民地体制下、沖縄本島北部の今帰仁村にある百按司墓(ももじゃなばか)から琉球人遺骨が持ち出され、26体が京都帝国大学に、台北帝大に33体が寄贈された。松島さんらが京都大学総合博物館に質問を投げかけたが要求を一切拒否され、マスコミの取材も受け付けない京都大学の対応に怒りを募らせ、琉球人遺骨返還訴訟を決意するに至っている。同様の遺骨返還問題はアイヌ民族にもある。これはまさに継続する植民地主義であり、沖縄にとっての「明治一五〇年」を象徴するものと言える。松島さんの呼びかけに会場から約一四〇〇〇円の訴訟カンパが寄せられた。
シンポジウムには今年も安次富浩ヘリ基地反対協共同代表から「辺野古からのメッセージ」が寄せられた。安次富さんは「政治の劣化、労働運動の劣化」のヤマトの現状を厳しく指摘し、「象徴天皇制の呪縛からの解放が民主主義の発展につながる」と述べ、「本集会でヤマトがはぐくんできた差別支配を総括し、韓国民衆の民主主義を発展させたローソク革命から学ぶべきであろう。私たちうちなんちゅうも韓国の闘いを学び、連帯し、東アジアの平和を東アジアの人々と共に構築していきたい」と檄を飛ばした。
シンポジウムの最後に沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子共同代表からアピールがあった。外間さんは、学生に向かって「辺野古の土砂投入が8月17日と言われている。そこに向けて首都圏で行動を準備している。沖縄のことを少しでも考えている人は行動してほしい。ぜひ心あるならばウチナンチュと闘って!」と呼び掛けた。

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(シンポジウムの記録を作成中。後日、掲載予定)

[安次富浩さんからの辺野古からのメッセージ]

6.23シンポジウム参加者の皆さんへ!
 
 沖縄は沖縄戦終了後、米軍植民地日本の独立=サンフランシスコ条約締結によって、日本政府の承認のもと、米軍事支配、すなわち米軍植民地支配体制下に置かれ、ベトナム戦争時には米軍がらみの事件・事故が多発し、人権無視による様々な辛酸を舐めさせられてきた。一方で、日本国内での砂川闘争や内灘闘争等の反米軍事基地闘争が高まりにより、焦った日米両政府は海兵隊などの基地を米軍植民地化の沖縄へ移転配備で収めた。その時の日本人民、左翼勢力は沖縄問題に関心を持たず、黙認するという犯罪的行為を行った。
沖縄では過酷な植民地支配の脱却から逃れるため、民衆の間から「祖国復帰」闘争を展開し、米軍と対峙しながら「平和憲法下の日本」に戻るとの幻想を求める過ちを犯した。私たちが自信を持って評価できるのは、非暴力・直接行動によって、米軍による農地強奪に果敢に抵抗したことである。敗北しながらも、あきらめずに人権の確立、民主主義を求めて闘い抜いたことである。
日本では60年、70年安保闘争の敗北以後、闘わない労働組織連合の誕生もあり、大衆的な運動が弱体化しつつある。しかし、現状は森友・加計、自衛隊の日報隠し、官僚の政権への忖度による公文書改ざん問題などが惹起している。政治の劣化、労働運動の劣化の中、そこから何を学び、民衆の自決権・抵抗権の確立が求められているのである。根底には「象徴天皇制」による呪縛からの解放が民主主義の発展につながるのだと思うが。
高江の住民の反対の声を無視し、ヘリパット建設工事が完成に近づいており、辺野古でも浅瀬側に護岸工事が進められ、8月17日にも一部地域へ土砂の投入による埋め立て工事が強行されようとしている。翁長知事は埋め立て承認の撤回に向けた政治判断の秒読み段階に来ている。
サンフランシスコ連邦地裁差し戻し審理の結審が6月28日(現地時間)に迫っている。海・陸上での土砂搬入闘争も大きな転換期を迎えている。様々な立場の違いを乗り越えて、11月県知事選挙に向け団結が必要となってきた。イデオロギーよりも、沖縄のアイデンティティーを守るため。
ヤマトにおける脱原発・反基地闘争、安倍政権打倒を闘わずして、沖縄連帯はあり得ない。我が友人の中にも押し付けがましい沖縄支援が蔓延る傾向にあり、典型的な無自覚による沖縄差別者達が登場しつつある。
差別者側が被差別者側の歴史・文化そして統治支配の実態を学び、差別者側の自己変革がなければ真の連帯とは言えず、支配者側の一員にしかすぎないのである。
本集会でヤマトがはぐくんできた差別支配を総括し、韓国民衆の民主主義を発展させた「ローソク革命」から学ぶべきであろう。私たちうちなんちゅも韓国の闘いを学び、連帯し、東アジアの平和を東アジアの人々と共に構築していきたい。
2018年6月23日
安次富 浩(ヘリ基地反対協共同代表)

[アンケートに寄せられた参加者の声(抄録)]

*大学の講義では学べない話が聞けいい経験になりました。(22歳男)
*様々な意見に触れる良い機会だった。(23歳男)
*6月23日に合った内容で、とても今後考えさせられる内容であった。(26歳男)
*天皇制批判や矛盾について問う先が一つ示されていたのが、ぐうたら一般市民のこちらとしては助かるし、納得できた。(38歳男)
*とても興味深い内容で、とても勉強になりました。問題提起された2人の方の話もよかったです。(64歳女)
*島嶼防衛計画と天皇昭仁の沖縄訪問とが構造的に対応しているという仲里さんのお話を承ければ、現在の体制による沖縄に対する非民主主義的支配への闘争は、最終的には天皇制の廃絶と結びつかなければ論理的に成立しえないのだということが良く理解できました。(23歳男)
*お二人は映画、演劇批評家でもあります。現在の沖縄に対して、あるいは日本も状況に対して、これらはどのようにたたかえているのでしょうか?今日のお話と、戦後の表現を振り返って、両氏のいまの考えを知りたい。例えばいまの若手に注目する作家はいるのか、等々。(24歳男)
*沖縄はどう日本に取り込まれたのか。天皇制の成り立ちと、沖縄にどうその価値観を押し付けたのか、そういう基本的常識が聞けるのかなと思って来ました。(男)
*米国が沖縄を基地として長期に差し出せと言った時、裕仁天皇は「そうしてください」と言ったというが、官僚や吉田茂、首相は、しばらくは使わせるが、それを取引材料にして沖縄を米のひも付きでなく取り戻す、戻せということはできなかったのでしょうか。現状は米にべったりになっている。(72歳男)
*反天皇闘争の大衆的展開は、本当に重要な課題と考えます。天皇制に対立する、ある人々の利害を拡大強化すること。沖縄・アジア・在日・部落大衆・障碍者・女性・下層労働者・など。民主主義者も。天皇制は階級対立・差別抑圧関係の非和解性を「国民統合」として暴力的に押さえつける「国家暴力装置」の支柱、日本的なそれではないでしょうか?天皇制・日本帝国主義国家だと思えます。それ故に、戦後日本にあっては、侵略と治安のための軍事体系である日米安保体制と対になって、階級支配する”道具“が天皇制の本質ではないでしょうか?(63歳男)
*国民国家統合―反対者排除の武器としての「天皇制」が、近代主義=明治維新の自画自賛と結合するイベントとしての「明治150年」の危うさを確認するための企画として評価。(70歳男)
*時宜に適った絶好の企画内容だと思います。菅孝行さんのラジカルな現代天皇制への批判的分析と仲里効さんの沖縄近現代史解説がとても参考になりました。(55歳男)
*沖縄県名護市出身です。パスポートを持ち上京し、47年。仲里氏のお話は非常によく理解できました。菅氏のお話は天皇制について勉強になりました。ありがとうございました。(65歳男)
*天皇制については多少なりともあれこれ知ってはいたが、沖縄については詳しくなかったので、ためになった。奇妙なアナロジーとしてフランスとアルジェリアの関係を思わせる。(59歳)
*改めて沖縄と天皇制について考えることができました。(19歳男)









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