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zoom RSS 「This is海兵隊」上映と猿田佐世さん講演集会報告

<<   作成日時 : 2017/08/07 15:52  

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7/27(金)の夜、横浜市開港記念会館にて「辺野古新基地建設No!海兵隊の撤退を!7.27映画と講演の集い」が開催され、会場ほぼ満席の約100人が参加。主催は島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会。
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まず高梨晃嘉・代表世話人から主催者挨拶があり、『圧殺の海』『高江―森が泣いている』など辺野古・高江のドキュメンタリーで知られる森の映画社製作の最新作『This is海兵隊』(57分)が上映された。沖縄の米軍基地の3分の2を占める海兵隊が、沖縄でどんな訓練をし、どこで戦争するのか。その役割は何か。沖縄にいる必要性はあるのか。研究者やジャーナリストの解説と元海兵隊員の証言から構成されている。人殺しの訓練を受けてベトナム戦争やイラク戦争に派兵された若者が戦場で体験した想像を絶する現実。生々しい証言が、強く印象に残る。
http://america-banzai.blogspot.jp/

映画上映後に、「辺野古高江派遣基金・神奈川」からカンパの呼びかけ。辺野古・高江の座込みへの参加が訴えられた。
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続いて新外交イニシアチブ(ND)の猿田佐世事務局長(弁護士)の講演。猿田さんは「島ぐるみ会議と神奈川を結ぶ会」結成のきっかけとなった2年前の横浜集会(約200人参加)でも講演していただいた。NDは3年間の研究活動の成果をまとめて本年2月に提言「今こそ辺野古に代わる選択を」を発表、沖縄タイムス、琉球新報で詳しく報道されて大きな反響を呼んだ。7月にはこの提言を持ってワシントンに乗り込んでシンポジウムを開催し、米国防総省や議会関係者にも面談した。今回は、この精力的な取り組みの直後のタイムリーな講演となった。以下は、編集部の責任による講演の概要。
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猿田さんは冒頭、『This is海兵隊』の映像を見ての感想を語った。
アメリカに5年間暮らし、その後も何回も通っているが、映像に出てきた海兵隊員が語る戦場体験をどこまで理解できていたか。アメリカ社会は軍隊に染め抜かれている。全く日本と違う文化を感じた。大学にも兵役についている若者もいて、キャンパスの中を兵士が歩いていることもある。飛行機の中で、映画館の中でも兵士と出会う。ラスベガスで軍人パレードを見ることもある。そのように軍隊が生活に密着している社会だ。そんなアメリカ社会に対して、沖縄の現状をどう伝えるか、いつも考える。そんな思いで映像を見た。ぜひこの映像を、これからアメリカのように戦争をしようと言う日本の政治家に見せたい。
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ここから猿田さんの講演は本題に入った。
これまで何回もワシントンに行き、米議会を回り、沖縄の現状を伝えようとしてきた。今回7月の訪米ではジャーナリストの半田滋さん、屋良朝博さんとスタッフと4人で回り、米国防総省のスタッフとも議論できた。これまで稲嶺名護市長の訪米をコーディネートしたり、「オール沖縄」の訪米団のお手伝いをしたり、沖縄選出の国会議員や、あるいは沖縄問題だけでなく原発やTPPなどほかの課題でも訪米のお手伝いしてきた。

アメリカの議会に沖縄の現状も、日本の抱えている問題も、何も伝わっていない。逆に日本政府の外務官僚が伝えているのは、日本の民意から離れたこと。訪米する財界人や、政治家も民意を伝えない。アメリカの政治家も日本に関心がない。だから日本の民意はどこにあるかなどと考えない。全然考えていない。沖縄にも関心がない。
それを猿田さんは常々感じていた。特に鳩山政権の時、鳩山首相の発言と逆のことを外務官僚が伝えていたのを知って驚いた、と言う。
日本に影響のある知日家にアーミテージとかナイとかがいる。彼らはアメリカ内ではひとつのシンクタンクの人間に過ぎないが、彼らの発言が日本の政治に大きな影響力を持っている。実は日本政府が米国内のシンクタンクや大学に金を出してこのような知日家を育てている。
猿田さんは日本政府が知日家を通して言わせるやり方を「ワシントン拡声器」と名付ける。
日本政府はアメリカに従属させられているが、自発的な従属。アメリカに政府にとって都合のいいことを吹き込んで、アメリカから発言してもらって、日本の政策実現の後押しをしてもらう。例えば集団的自衛権について、アーミテージさんに話してもらって、その発言を日本のマスコミが記事にして、集団的自衛権の法制化を実現していく。アメリカから言われていることの情報のほとんどは日本から流している情報なのだ。

猿田さんは、トランプ政権の誕生で日米関係が変わるチャンスがあった、という。
大統領になる前に、日本が在日米軍経費をもっと負担しないと撤退する、核武装を韓国と日本にも認める、などと発言した。ひょっとしたらという期待感を持った人が多いのではないか。翁長知事も期待してトランプ大統領誕生後に面会を求めた。一番びっくりしたのは日本政府で、安倍首相がニューヨークのトランプタワーに飛んでいった。世界中から批判されていたトランプ政権の移民排除の政策も批判せずに、「日米同盟が基軸」を説いて、2/10に日米共同声明で確認した。「辺野古が唯一」も盛り込み、日本政府の大勝利に終わった。
大統領選の結果が出た11/9から2/10までは日米関係が大きく変わる可能性があったのではないか、と猿田さんは指摘する。70年間で初めてのチャンスをいかせず、何もできずに過ごしてしまった。この3ヶ月のあいだに何か具体的な提案が出来ていれば、と。
では現在のアメリカはどうなっているか。
関心があるのは北朝鮮とシリアで、日本への関心がこれまで以上に低い。トランプ政権は、外交をする国務省の役人をほとんど任命していない。7月に予定されていた日米の「2+2」も延期になった。国務省の事務が回っていない。トランプはこれまでの知日家が大嫌い。大統領選挙でクリントンを支持してトランプを敵視したから。そう言う意味ではアーミテージなどの知日家は影響力を落としている。そういう中で日本政府は、何とか「日米同盟が基軸」のままでいいから、おかしな方向に日米外交が進まないようにしている。日本に無関心のアメリカと、既定方針でいいと思っている日本政府。
それが日米関係の現状だ、と猿田さんは言う。

さて、今年2月に発表されたNDの提言は、軍事的な観点から、安全保障論の土俵の中で「辺野古唯一論」に反論している。
http://www.nd-initiative.org/topics/3372/

猿田さんがそのような提言を考えたのには理由がある。
沖縄の声をアメリカに届けるためにどうするか。沖縄の人が訪米してアメリカ政府関係者や議員に要請しても、関心を示さない。沖縄がどこにあるかも知らない。「辺野古の基地建設をやめて」、と言うと、「日米合意なのだから、日本政府に言うべきでは」あるいは、「じゃあ普天間基地を、海兵隊をどうすればいいの」「北朝鮮や中国の脅威をどうすればいいの」と聞いてくる。私も個人的には基地なんてなければいいと思うが、アメリカ人はそうは考えない。そこで軍事的な議論ができないと、無視されてしまう。
そこで「軍事的観点、安全保障の観点で考えても、辺野古の埋め立ては必要ないよ」と言うことで、一瞬でもアメリカの議員に考えさせたい。それが猿田さんの願いだった。3年間かけて、元外務官僚や基地問題に詳しいジャーナリスト、研究者など専門的な人に協力してもらい、提言を出した。米軍にとっても魅力的な案にするために、高速輸送艇を日本が提供したり、費用を出したりということまで提案している。
提言の具体的内容はNDのHPなどで確認してほしいが、猿田さんの要約によれば以下のようになる。
http://www.nd-initiative.org/topics/3372/

2012年の日米合意で海兵隊は実働部隊をグアムなどに移転することになった。沖縄に残るのは司令部機能と第31海兵遠征隊(MEU)というわずか2000人の部隊だけ。これは人道支援・災害救援の部隊だ。なぜこれが抑止力となるのか?この部隊31MEUを残す意味は何か。実は31MEUは年に9ヶ月くらいは沖縄にはいない。アメリカ本国から6ヶ月ローテーションで来て、佐世保にある艦船が沖縄に行って、これに海兵隊が乗って移動する。言わば「ランデブーポイント」だが、これが沖縄である必要はまったくない。「ランデブーポイント」を沖縄以外の場所に変えればいい。このように海兵隊の運用を変えることで辺野古の基地は不要となる。実は海兵隊の人道支援の演習には中国の軍隊も参加している。これが現実だ。
辺野古の新基地建設強行で日米同盟の基盤を壊していいのか。31MEUも沖縄にいる必要はないではないか。そう言う意味では、沖縄も日米政府も納得のいく提言になる。

講演の締めくくりに猿田さんが強調したのは次のことだ。
もちろん現場の座り込みが一番重要だと私も思う。でも軍事的な提言することも必要だ。NDが安全保障の観点から、軍事研究することへの批判もあるが、沖縄の現場の人からは『自分たちのできないことをやってくれてよかった』と歓迎されている。沖縄タイムス、琉球新報にも社説で評価してもらっている。
今回のアメリカのシンポで「滅茶苦茶お金がかかった」とか。猿田さんは「ぜひNDへのカンパを!NDの会員になってください!」と講演の最後に呼びかけた(以下のNDのHP参照)。
http://www.nd-initiative.org/wordpress/wp-content/uploads/2017/08/4507b75bc9ec62be5d25235f153f1e5c.jpg
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講演のあと、特別報告として全造船関東地協JFE・日本鋼管分会のHさんから辺野古の埋め立て用ケーソンの製造中止を求めるJFEエンジニアリング渇。浜本社への申し入れ行動の報告がされた。Hさんは7/22の三重県民集会にも参加してきた。170人で津の市内をデモ行進。神奈川の代表としてアピールもしてきた(下記の三重県民の会ブログ参照)。
http://blog.goo.ne.jp/ryukyuu
ケーソンは高さ24m奥行22m長さ52mの巨大なコンクリート製のケース。辺野古の海の一番深いところに埋める。2015年1月にケーソン護岸工事が契約されているが、受注した五洋建設と非常に親しいJFEエンジニアリング鰍フ津の製作所でケーソンを製造しようという計画だ。辺野古の埋め立てに使うケーソンを造らせるな!と「三重県民の会」が立ち上がり、私たちの組合も会社に対して申し入れをしている。県民の会は昨年、8月に16000人分の反対署名を持って横浜本社に来たが、会社は受け取らなかった。今年の6/28にも私たちの組合や結ぶ会、平和運動センターなどで呼びかけて約70人で申し入れに行ったが、申し入れ書も受け取らなかった。あまりにひどい対応だ。
その後、会社が言うには、ケーソン製造は発注もされていない。だから受注もない。それが深刻だと思ったのは、脆弱な辺野古の海底地盤の問題があるのではと疑っている。地盤改良で設計変更になれば翁長知事が変更申請を許可する可能性もない。技術的にも深刻な問題になっているのではないか。当初契約では本年9/30がケーソン護岸工事の完成期限になっている。それが現段階で発注もされていない。これは闘いの成果だと思う。そう考えていくと、辺野古の新基地は建設できないのではないかと確信が持てる。沖縄の人々と一緒に闘いたい。
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最後に結ぶ会の仲宗根保代表世話人から閉会挨拶。司会からは沖縄県民大会に呼応する8.12首都圏行動など今後の行動・集会への参加が呼びかけられた。
派遣基金の会場カンパは40163円集まった。また、猿田さんが持参したNDの関連図書は3種類、約30部50800円の売上となった。多くのみなさんのご協力に感謝します!

参加者から寄せられたアンケートの一部を紹介します。
*(映画について)横須賀市民にも海兵隊の事実を知らせたい。(講演について)新外交イニシアチブについて、より詳しく知りたいと思った。軍事研究の必要性もよくわかり、また、ワシントン拡声器の意味もよくわかった。横須賀の原子力空母配備についても、アメリカでは問題意識は全く無いと呉東弁護士から聞いたことがある。アメリカで日本を「知らせる」活動が必要不可欠。(70歳男性)
*(映画)二度目でしたが、米兵の思いをきちんと聞いて本当によかった。(講演)NDの役割、重要性がよくわかりました。基地建設反対の行動と、政策提言というか、別の道も示していくことと、様々な方向から基地撤去の道を探っていくことが大切だと思いました。(63歳女性)
*(映画)あまり解説なしに「生の海兵隊員の発言」をそのまま映像化したのが良かった。(講演)非常に耳新しい意見で参考になった。(結ぶ会の活動について)活動は非常に良い。支援もしたい。頑張ってください。私も頑張りたい!!(70歳男性)
*(映画)海兵隊にいた兵士の証言が生々しく、戦うための兵士、戦争の恐ろしさが伝わってきました。(講演)ずばりとした言い方がいいと思います。新鮮な視点の話で参考になりました。NDの冊子を資料として配っていただきたかったです。(68歳女性)
*(映画)海兵隊の証言を聞く機会はほとんどなかったので、有意義だった。(講演)ネット番組で話を聞いたことはあったが、とても話がわかりやすい。やはりただ辺野古反対だけでなく、十分論拠を持たなくては。(52歳男性)
*(映画)海兵隊の過去の犠牲は尊いと思うけれど、21世紀において、海兵隊がどのくらい役に立つのか疑問です。そのあたりの話が少なかったと思います。(その他)ケーソン反対の具体的な報告は良かったです。(年齢性別不明)
*(映画)証言から学べる内容でよかった。(講演)具体的な提案が大事という思いに共感した。(結ぶ会に)良い学習会をありがとうございました。(45歳女性)
*(映画)殺人、人殺しが平気でできる心理状態になって訓練しているのが海兵隊だ。本来の人間としての生きがいを感じられないのが米軍。米国産業の経済に大きく貢献しているのが軍需産業。(講演)沖縄の声が届かないワシントン。ワシントンはアメリカの首都、人口65万人、情報と権力が集中。大使館、大企業、メディアの街。連邦議会は日本には関心がない。(73歳男性)
*アメリカ兵の生の、本音が聞けて、やっぱりと思った。多くの人、特に若者が見るべきだと思った。(講演)ワシントンの事情がわかってよかった。(69歳女性)

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