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zoom RSS 〈トランプ登場後の世界〉で考えるー東アジアの中の沖縄と日本(4・28シンポ報告)

<<   作成日時 : 2017/05/11 23:01   >>

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 4月22日午後、東京・文京区民センターにて「〈トランプ登場後の世界〉で考える−東アジアの中の沖縄/日本」をテーマとするシンポジウムが開催され約100人が参加した。主催は〈4・28〉シンポジウム実行委員会。
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この〈4・28〉シンポジウムは、今年で5回目になる。サンフランシスコ講和条約発効から61年目の2013年4月28日を当時の安倍政権が「主権回復の日」と位置づけ、天皇・皇后を動員して記念式典を強行したことに異議を申し立てる立場から、東京と那覇で開催された連続シンポジウムに端を発する。那覇シンポジウムの呼びかけ文に企画の趣旨が表現されている。

「抑止力」「中国の脅威」「島嶼防衛」「固有の領土」「主権回復の日」などなど、沖縄の経験を置き去りにして、勇ましく飛び交う空疎なコトバたち。/いま、東アジアの領土や領海をめぐる緊張を通して、主権、国境という近代の枠組みが根本から問い直されようとしている。/サンフランシスコ講和条約60+1年――沖縄は分割され、アメリカのむきだしの統治下おかれた。/一方、日本の戦後社会はアメリカの傘のもとで「民主」と「経済成長」を遂げた。今に至る二つの戦後がある。/そして、「復帰」40+1年――極東の軍事的な要石としての沖縄の位置は変ることなく、日米の軍事再編にさらされている。/東アジアの分断の起源を解き放ち、新たな<1>にすることはできるのか。終わらない占領と植民地主義から始まりのアジアへ、歴史意識の深層の扉をこじ開け、<沖縄>を創り、<アジア>に繋ぐ思想は生まれなければならない。ここ沖縄から。(2013年5月18日那覇シンポジウムの呼びかけチラシから)

 さて今年の〈4・28〉シンポジウムの出席者は、琉球新報記者の新垣毅さん、在日二世でアジア現代政治研究の康宗憲さん、台湾・大陸中国研究の丸川哲史さんの3人。辺野古では政府・防衛省が、沖縄の民意と翁長知事の工事中止要請や行政指導を無視して大浦湾の埋め立てに向けた作業を強行し、一方では朝鮮半島情勢が極度に緊迫化する中で、東アジアの平和をどう創造するかを巡って活発な議論が交わされた。名護・ヘリ基地反対協の安次富浩共同代表からは今年もシンポジウムに宛てたメッセージが寄せられた。
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シンポジウム終了後には、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、日韓民衆連帯全国ネットワーク、共謀罪法案反対運動からそれぞれアピールと行動の呼び掛けが発せられた。安倍政権は、朝鮮半島情勢の緊迫化に便乗して危機を煽り、アジアの覇権大国への醜い野望を隠そうともしない。自民党内では「敵基地先制攻撃論」やTHAAD配備、巡航ミサイルトマホークの導入まで議論の俎上にのぼり、そして戦争国家化に向けた治安弾圧法として共謀罪法案が上程されている。その戦争国家化の最前線、沖縄の辺野古・高江の闘いの現場で、共謀罪の先取りとして弾圧が激化している。共謀罪法案を葬り去り、辺野古・高江の新基地建設を阻止することによって東アジアの平和を創造する、そのためには東アジアの民衆連帯が必要であることを改めて確認し合う場となった。

 シンポジウム第一部ではまず新垣毅さんが基調講演。続いて、康宗憲さん、丸川哲史さんから問題提起がされた。第二部では会場からの質問にも応答しながら、議論が交わされた。
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新垣毅さんの基調講演のテーマは「沖縄の自己決定権の行方」。新垣さんはまず「東アジアが中東化しつつある。トランプは北朝鮮を攻撃してもいいと思っているのではないか。米本土を狙うICBMを排除するために北朝鮮を攻撃してもいいのでは、という世論が醸成されるかもしれない」と朝鮮半島情勢に言及。「今後どうなっていくのか、不透明感がある。何か起こると沖縄が標的にされる。命の危険を感じる。沖縄というよりも日本、それから韓国も火の海になる可能性が出ている」と強い危機感を表明した。そして1952年に成立したサンフランシスコ体制の本質を「米国に跪き、自ら主権を売り渡す跪く主体性」と喝破した。そして「この体制に歯向かう者に『反日テロリスト』『国賊』とレッテルを貼る偏執的な愛国心が蔓延している。ガンが進行しているような戦争前夜の状況がある」と警鐘を鳴らした。さらに米海兵隊が沖縄に駐留する理由を「尖閣有事に日米安保を適用させやすい。米国を戦争に巻き込むための人質」「訓練域が広い沖縄で日米共同訓練を積み重ねて自衛隊を海外で戦争できる軍隊にする、言わば自衛隊の家庭教師役」と指摘。また「憲法9条が沖縄の犠牲の上に成立してきたことを理解しているのか」とヤマトの平和運動の現状にも疑問を呈した。そして「反差別の観点からの沖縄と本土の連帯が重要。日米安保が必要というなら、日本国民の歴史的責任として沖縄の米軍基地を本土に引き取るべき」と提起、「辺野古の工事を止めることが沖縄の自己決定権の象徴的な行為となる。沖縄は米軍基地の要石(キーストーン)ではない。東アジアの対話と交流、平和の緩衝地帯にしたい」と結んだ。
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康宗憲さんは「激動する朝鮮半島情勢と東アジアの平和」のテーマで発言。康さんは一週間前にソウルに行って、日本のように「いつ戦場になるか」という緊迫感が感じられなかったという体験から語りだした。「韓国の人は不感症なのか。安全保障問題に鈍くなっているのか。そうではない。おびただしい犠牲を生んだ朝鮮戦争があり、二度と戦争を起こしてはダメという思いがあり、戦争は起きないという確信がある。米国がピンポイントで北朝鮮を攻撃をしても、全面戦争になる。朝鮮半島は、局地戦ができるほど甘いものではない」と、政府やマスメディアが危機を煽る日本の現状を批判した。そして朝鮮半島が「東北アジアの火薬庫」と言われる戦争の危機の要因を二つあげた。朝鮮戦争が終わっていない「停戦体制下」にあり、いつでも戦端が開かれる可能性があるという構造的要因と世界最大の「軍事密度地域」であり最大規模の米韓軍事演習が行われているという直接要因だ。康さんは軍事的にも経済的にも圧倒的に力の差がある「北朝鮮の脅威」は、日米によって作り上げられたものであり、「北朝鮮の悪魔化が進行している」と指摘。「米朝の敵対関係を解消しない限り、朝鮮核問題は解決しない」と述べ、「日本は従属的な日米関係の正常化と日朝関係の正常化が必要。脅威を除くのは敵対ではなく、開くこと。相手が何を考えているかわからない時には、話をすれば良い」と問題提起、「朝鮮半島の平和は沖縄と日本の平和につながっている。日本の平和は沖縄の感性と平和への圧力が全国に広がるときに実現できる」と結んだ。
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丸川哲史さんは「120年の東アジアと現在の東アジア」と題して発言。「歴史的には台湾、大陸中国の問題は東アジア全体の動きと連動していた。しかし現在は朝鮮半島が緊張していても中国・台湾が平穏な状態にある。それは台湾の米軍基地が1979年の米中国交樹立の際に撤去されたから」と指摘。「康さんのお話に『悪魔化』という言葉が出てきたが、120年前の日清戦争前後にも『悪魔化』あるいは『軽蔑』の感情が噴出した時代があった。最近の東アジアの動きを見ると、それが反復していると感じる」と、2013年から最近までの「ポスト6カ国協議時代」の朝鮮半島をめぐる出来事と120年前の日清戦争前後の金玉均、閔妃に関わる出来事を比較参照した。そして現在の中国が、AIIBや「一帯一路構想」に見られるように、東アジアではなく「西方に関心が向かっている」ことに注意を喚起した。
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安次富浩さんからのメッセージ

「東アジアの中の沖縄と日本」4・22シンポジウム参加者の皆さんへ!

去った3月25日、普天間基地の移設先である辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で主催者であるオール沖縄会議の予想を上回る4000人近くの県民が参加した大集会を持ちました。前段の集会では150日を超える不当勾留されていた山城博治さんが釈放後はじめて大衆集会に参加し、元気な姿をと力強い挨拶がありました。
この県民集会では翁長県知事が4月以降も防衛省が岩礁破砕許可申請を行わず、埋め立てに向け工事を続けるならば、工事差し止め訴訟の提起と「必ず埋め立て承認撤回」を行うとの力強い決意が語られました。
昨年12月13日に夜間給油訓練をしていたMV-22オスプレイが名護市安部集落付近の海岸で墜落事故を起こしました。沖縄防衛局長は飛行中止を求めた私たちに対して、「自衛隊が購入するから安全だ」と開き直り発言がありました。その防衛省が今年度予算以降、1機200億円の価格で17機も購入し、佐賀空港において離着陸訓練する計画です。
3月5日から横田基地を中心に普天間所属のオスプレイ6機が18日間にわたり長野、新潟、群馬などの関東甲信越、福島、静岡において訓練が実施されました。千葉県木更津市にある自衛隊基地が欠陥機オスプレイの修理・保全基地として位置づけられています。このように、オスプレイは全国の空を飛び回ることになり、沖縄と同じく墜落事故が起きる可能性は高くなってきます。
戦争法の強行採決、共謀罪の導入と戦争できる国造りにまい進する安倍政権ですが、「森友学園」問題、「南スーダン自衛隊派遣」での日報隠ぺい問題が浮上し、政権運営も怪しくなっています。今こそ民衆が団結して、ファシズム色濃い安倍政権を打倒する広範な統一戦線を市民の手で作り上げねばなりません
私たちは「勝つ方法はあきらめない」とのモットーで、日本政府からのどのような弾圧や分断工作がかけられようとも、オール沖縄で団結し、沖縄差別を遂行する安倍政権と対峙していきます。
普天間基地の即時閉鎖を求めて、生物多様性豊かな「美ら海」の大浦湾には新しい基地はつくらせません。
日本復帰運動の指導者である故瀬長亀次郎が「弾圧は抵抗を呼び、抵抗は友を呼ぶ」とメッセージを残しました。私たちは非暴力・不服従運動を基本に不屈の精神を持って、沖縄を再び戦場(いくさば)にしないため、平和的生存権と自己決定権の確立を求め、じんぶん(沖縄の言葉で知恵)を働かしながら、したたかさとしなやかさで闘います。
日米両政府の戦争政策に対抗し、東アジアの平和を求めて闘いましょう!
2017年4月22日

安次富 浩(ヘリ基地反対協共同代表)

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