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zoom RSS 6.17国地方係争処理委員会決定を読む

<<   作成日時 : 2016/06/26 20:53   >>

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翁長知事の埋立て承認取消し処分に対する国交省の「是正指示」の適否を審査していた国地方係争処理委員会が、6月17日の第9回会合で審査結果をまとめ、国および沖縄県に通知した。決定内容の全文は21日に公開された。結論部分は以下のとおり。
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「国と沖縄県との間で議論を深めるための共通の、基盤づくりが不十分な現在の状態の下で」「肯定又は否定のいずれかの判断をしたとしても、それが国と地方のあるべき関係を両者間に構築することに資するとは考えられない。」「当委員会としては、本件是正の指示にまで立ち至った一連の過程は、国と地方のあるべき関係からみて望ましくないものであり、国と沖縄県は、普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道であるとの見解に到達した。」「以上により、当委員会は、本件是正の指示が地方自治法第245条の7第1項の規定に適合するか否かについては判断せず、上記見解を持って同法250条の14第2項による委員会の審査の結論とする。」

要するに「国交省の是正の指示の適否を判断せず、国と県の協議を求める」というのが結論だ。これは、3月4日の和解で国と県が合意した和解条項の想定外の事態だ。和解条項5項と6項は以下の通り定めている。

5 同委員会が是正の指示を違法でないと判断した場合に、被告に不服があれば、被告は、審査結果の通知があった日から1週間以内に同法251条の5第1項1号所定の是正の指示の取消訴訟を提起する。
6 同委員会が是正の指示が違法であると判断した場合に、その勧告に定められた期間内に原告が勧告に応じた措置を取らないときは、被告は、その期間が経過した日から1週間以内に同法251条の5第1項4号所定の是正の指示の取消訴訟を提起する。

上記の通り、和解条項は、国地方係争処理委員会が是正の指示を「違法でないと判断した場合」(5項)「違法であると判断した場合」(6項)の二つしか想定していない。そしてどちらの場合も県が原告となり是正の指示の取消訴訟を1週間以内に提起することになっていた。和解の前提が崩れた結果、県は提訴の義務から解放された。県は6月24日、係争委の決定に従い、提訴せぬ意向を伝達するとともに、国に協議を促す文書を送付した。このままでは翁長知事の埋立て承認取消処分が生きているため、国は工事を進めることはできない。逆に工事を進めるためには、違法確認訴訟、代執行訴訟を、国が原告になって提起し、翁長知事の埋立て承認取消処分を取り消さなければならない。その場合、係争委と県から求められた協議を拒否して法的手段に再び訴える国の強権的な姿勢が改めて浮き彫りになるとともに、法廷闘争においても原告となった国が立証責任を負うことになる。いずれにしても、和解条項が想定したよりも、法的決着に時間がかかることになる。菅官房長官や中谷防衛相が「県が1週間以内に取消訴訟を提起するものと承知している」と県を牽制しているが、国の焦りの裏返しだ。
振り返ってみれば、3月4日の電撃的な和解は、ある意味では、強権的な代執行訴訟で形勢不利となった国に、福岡高裁多見谷裁判長が助け舟を出したものであり、安倍官邸は、「工事中止」という大きな代償を払いながらも、早期に法的決着に持ち込んで県に屈服を迫る罠を仕掛けたつもりになっていた。しかしそのシナリオは、今回の国地方係争処理委員会の想定外の「決定」によって脆くも崩れた。

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