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zoom RSS 「世界史の中の沖縄/辺野古」シンポ報告

<<   作成日時 : 2016/05/04 22:21   >>

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4月24日、東京・全水道会館にて、「〈反テロ戦争〉に向かう時代に考える―世界史の中の沖縄/辺野古」をテーマにしたシンポジウムが開催され、約100人が参加した。〈4.28〉シンポジウム実行委員会の主催で、九条改憲阻止の会の協賛。2013年から毎年4月28日前後に開催され、本年で4回目になる。
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冒頭、『標的の村』『戦場ぬ止どぅみ』の三上智恵監督がブロクで公開している10分ほどの映像『先島台風、本土上陸』が上映された。
http://www.magazine9.jp/article/mikami/27047/
3月下旬の宮古・石垣の自衛隊配備に反対する住民の会の東京行動の記録だ。3月28日に、与那国島の陸樹自衛隊沿岸監視隊(160人)が発足した。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=160823
宮古・八重山諸島の人々は、国境の島々への自衛隊配備が、辺野古の新基地建設と連動した琉球列島の軍事要塞化の一連の動きであること、それが「国防」の名の下に島々の住民の命と暮らしを脅かす動きであり、沖縄戦の再現であることを敏感に感じ取っている。
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シンポジウムでは、田仲康博さん(メディア研究、国際基督教大学教員)、板垣雄三さん(イスラーム研究)、丸川哲史さん(台湾・中国・東アジア研究、明治大学教員)の3人から、テーマに沿って問題提起があった。
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沖縄で生まれ育った田仲康博さんは、「挑発的に言えば、我々すべてがテロリストである」と問題提起した。2001年9月11日のニューヨークの「テロ」直後に在沖米軍基地が最高度の厳戒状態になり、沖繩県警とヤマトから派遣された機動隊が米軍基地を警備、米兵も銃口を基地の外に向けた。この時、銃口を向けられた沖縄の人々は、沖縄戦の体験を想起した。沖縄戦では、日本軍から沖縄言葉ウチナーグチを話すウチナーンチュがスパイとして敵視され、殺害された例もあった。「我々すべてがテロリストである」とはこの事態を指している。田仲さんは、そこから更に踏み込んで、海兵隊基地の中を通る高速自動車道にあった「流れ弾に注意」の看板、米軍の管制空域を避けて超低空飛行で自衛隊と共用の那覇空港に離発着する航空機、2004年の沖国大への米軍ヘリ墜落事故の現場を封鎖した米軍の動き、機動隊と海保、自衛艦(2006年に自衛艦「ぶんご」が辺野古沖合に登場した)まで出動させて強行される辺野古の新基地建設の現場等々を列挙し、「沖縄こそ〈対テロ戦争〉の現場であり、現在進行形の戦場である」と喝破した。そして「国家から離脱し、非国民になること。国家の喉に突き刺さる刺になることが重要ではないか」と挑発的な問題提起で締めくくった。
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田仲さんの提起を受けて、板垣雄三さんは、主催者が掲げたシンポジウムのテーマ「〈反テロ戦争〉に向かう時代に考える」という表現に疑義を呈した。戦争法を成立させて伊勢志摩サミットの舞台で〈反テロ戦争〉に本格参戦宣言しようとしている安倍政権への警戒と批判を強調する表現だが、「西アジアの問題も沖縄の問題も、世界の問題だ。辺野古の状況に現れているように、すでにわれわれはグローバルな〈反テロ戦争〉の真っ只中にいる、という情勢認識こそ重要ではないか」と指摘した。そして「1970年代からイスラエルがグローバルな〈反テロ戦争〉を始めた。〈反テロ戦争〉は、植民地主義の最後の断末魔であり、社会心理戦争にほかならない」と規定し、「あらゆる人が、あらゆる場所で、自分の課題として辺野古を闘い、それぞれの闘いを共有し合うことが重要だ」と強調。〈反テロ戦争〉による「人類共倒れ」から抜け出すための「新しい市民革命」を提唱した。
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これまでの〈4.28〉シンポジウムで、東アジア、とりわけ中国との関係で沖縄問題をどう考えるかについて提起してきた丸川哲史さんは、60年安保と2015年安保闘争を比較して論じ、「東アジアの平和を考える時、『立憲主義』と『労働(階級)問題』、『アジアの連帯』が重要なファクターとなる」と指摘し、「2015年から16年にかけて重要課題としてせり上がってきた辺野古問題は、日本内階級格差とも言えるし、基地との関連ではアジア連帯の課題にも繋がる」と指摘した。そして2015年安保闘争の中で「中国脅威論」に対する有効な反論が見られなかったことに注意を喚起した。「アジアの平和を考えた場合に、中国がどういう存在であるかという問いを避けることはできない」「『島』という土壌で考える世界観と中国のような『大陸』では、世界観を作る基礎的なものが違うのではないのか」とも述べた。丸川さんによれば、「中国は、南の海と西の内陸を、同時に、相互的に考える」。中国国内に過剰に蓄積された資金と過剰生産物が、大陸と海洋に向かって巨大な流れを作りつつある。「一帯一路構想」はそのひとつの方法だ。そもそも中国は東アジアだけでなく、中央アジア、東南アジアも含んでいる。中国について考えようとすると、「東アジア」という枠を超えざるを得ない。そこで〈反テロ戦争〉とも関連が生じる。丸川さんはそう指摘し、最後に「田仲さん、板垣さんも話されたように、辺野古で起きていることと、南シナ海、中東や中央アジア、さらにアフリカで起きていることはすべて連動しているものとして分析し、考察せざるを得ないという時代に入ってきているのではないか」と問題提起した。
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大きなテーマで、論点も多岐にわたり、限られた時間の中で充分論じ尽くすことはできなかったが、田仲さん、板垣さん、丸川さんからそれぞれ刺激的かつ挑発的な問題提起がされ、参加者にとっては示唆に富むシンポジウムとなったのではないか。雑誌『情況』8・9月号に全記録を掲載予定なので、ぜひ参照願いたい。
シンポジウム終了後、ヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんからのメッセージが、辺野古現地闘争に何度も駆けつけている学生から読み上げられた。(*)
最後に、伊勢志摩サミットに反対する実行委員会から、安倍政権が〈反テロ戦争〉への本格参戦を宣言する場として開催される伊勢志摩サミットに反対する取り組みが提起され、17時に閉会した。http://stopg7.blog.jp/
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*読み上げられた「辺野古からのメッセージ」は以下のとおり。
「世界史の中の沖縄/辺野古」シンポジウム参加者の皆さんへ!
 今年の4月12日は日米両政府が「世界で最も危険な基地」と称した普天間飛行場の全面返還合意(1996年)から20年を経過した日である。この20年間はオスプレイ配備問題で鮮明になったように日米両政府に「騙された20年」であった。
橋本首相・モンデール駐日米大使会談で「5年ないし7年に返還し、既存の米軍基地にヘリポートを建設する」旨の内容であった。その当時の日本政府の主張は国策と称し「防衛問題は国の専管事項であり、地政学と海兵隊の抑止力」を盾に県内移設を推進し、いつの間にかヘリポートから代替施設へと強引に押し付けてきたのである。
今や、「抑止力」がゆくし(沖縄の言葉で嘘)であり、米政府高官や米軍首脳が「沖縄に固守していない。沖縄を選んだのは日本政府」と発言し、「地政学」も破綻しているのである。あまつさえ、民主党政権末期の森本敏防衛大臣は離任の記者会見で「陸上部隊と航空部隊と、それから支援部隊……例えば、日本の西半分のどこかに、…沖縄でなくても良いということだと。……では、政治的にそうなるのかというと、そうならない。……政治的に許容できるところが沖縄にしかないので、だから、簡単に言ってしまうと、軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると、沖縄がつまり最適の地域である」と臆面もなく述べた。
また、中谷防衛大臣は普天間基地所属のMV−22オスプレイの佐賀空港での離着陸訓練使用問題に関し、佐賀県民の猛反発にあい、「佐賀県民の民意を受けとめる」と佐賀県知事との会談の場で撤回した。このように、沖縄問題の通と称する軍事評論家や政治家たちは平然と沖縄差別を行うのである。
我々は沖縄を売り渡したサンフランシスコ条約の締結日を「主権回復の日」と称して国家行事を行った安倍政権を決して許さない。「危険性の除去」と「辺野古が唯一の解決策」が安倍政権の主柱である。20年間も「世界で一番危険な普天間飛行場」の解決を放置してきた歴代政権の連中に「危険性の除去」と言われる筋合いはない。オスプレイ配備反対の沖縄の民意を無視しておきながら、「普天間の固定化」を脅かしに使う安倍政権。翁長知事との対談で「戦後生まれなので沖縄の歴史はわからない」と口にし、口を開けば「法治国家」と宣(のたま)う菅官房長官。明治以降の沖縄差別政策は現在でも続いているのである。沖縄は日本の固有の領土でないから。
我々は来る沖縄県議選挙や参議院選挙でオール沖縄の意志を明確にする。沖縄を再び「戦場(いくさば)」にしないため、自衛隊の配備にも反対していく。
憲法違反の「集団的自衛権の行使」を柱とする戦争法制を廃棄しよう!九州では群発地震が発生し、原発事故の危険性は増している。安倍政権を打倒するため、脱原発や反TPPで闘う市民・農業者と連携して、参議院選挙では1人区統一候補を推進し、勝利しよう! 非暴力・抵抗運動によって必ず勝利する。勝利の手を我等に!

2016年4月24日
安次富浩(ヘリ基地反対協共同代表)


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